2018年10月29日月曜日

外国人労働者について:もはや「受け入れるか,受け入れないか」の問題ではなく,「どう受け入れるか」の問題である (2018/6/6)

 NHKクローズアップ現代「自称“難民”が急増!? 超人手不足でいま何が…?」を視た。また本日の『日本経済新聞』紙版の1面トップは「外国人就労拡大を表明 首相『仕組み早急に』」であった。

 コンビニも中小建設業も中小製造業も農業も水産加工業も,外国人がいないと成り立たない状態になっている。そして日本人労働者の絶対数は今後必ず減っていく。もはや,秩序ある受け入れ拡大による共生しか道はない。不安を抱く日本人がいるのももっともだが,コンビニと居酒屋が片端から閉店し,住宅建設が止まり,注文したものは届かず,農産物価格が高騰し,地元の中小企業が人手不足倒産するのも困るだろう。すでに,「受け入れるか,受け入れないか」の問題ではなく,「どう受け入れるか」の問題になっているのだ。

 高度人材については弊害はほとんどないので,問題は技能労働者の受け入れ方だ。受け入れるしかないのに受け入れる制度がない結果,1)技能実習生として働く,2)留学生が限られた時間だけ働く,というケースが多くなっている。そして,技能実習生はもともとそうだが,留学生の中にも,もともと働くことが目的の人までが現れつつある。さらに,本日報道されたように3)政治的迫害を受けたわけでもないのに,難民を申請して,申請結果が出るまでとりあえず在留資格を得て働くケースが生まれている。1)2)3)を仲介するブローカーが日本と現地の間で活動する。そして,これらの労働力を日本企業も求めているのだ。これは,さしあたりの人手不足の緩和にはなるし,誠実に雇用する日本の経営者,誠実に働く外国人ももちろん多いことを私は知っている。しかし,制度の裏をかいた行動だけに,日本社会と在留外国人の双方にとっての弊害を避けられない。転職を禁止されている技能実習生への迫害,教育機関の質の低下,いい加減な情報で手数料をかすめとる悪質ブローカーの跋扈などだ。

 この歪んだ状態を改めるためには,技能労働ビザを拡充し,身元や日本語の確認などをきちんとしたうえで計画的に受け入れを増やすしかないだろう。私は,ここまでの論点に関する限り,政府の拡大方針は,着手するのがあまりに遅かったとはいえ,大枠で支持する。

 あとは,一方で教育や難民受け入れ制度を歪める抜け道利用の穴を防ぎ,他方で外国人に対する賃金や居住隔離での偏狭な差別が起きないように具体的な政策を詰めていくべきだ。例えば,私は,もともとは他の領域での解決のために,今後,職務ベースで,つまり仕事と勤務地を明示し,誰がやっても(年齢,性別,国籍にかかわりなく)同じ賃金として契約することを法制的に促す働き方改革を進めざるを得ないという意見を持っている。つまりはあいまいな契約をなくし,年功序列と定年制の改革を促す法制だ。この改革は外国人労働者受け入れを円滑に進め,紛争を防止するためにも有効だろうと考えるようになった。

「外国人就労拡大を表明 首相『仕組み早急に』」『日本経済新聞』2018年6月6日。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO31413180V00C18A6MM8000/

自称“難民”が急増!? 超人手不足でいま何が…?」NHKクローズアップ現代,2018年6月6日。
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4142/index.html

2018/6/6 Facebook
2018/6/7 Google+

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