東野圭吾『危険なビーナス』講談社。帯にある「失踪した弟の嫁に会った瞬間、俺は雷に撃たれた」という文句がすべてを物語る。ラノベか、アダルトか。いや、ちゃんと話が組み上がった東野ミステリーなのだが、主人公の獣医、伯朗のダメさ加減と、「お義兄様」「お義兄様」というヒロイン楓のむやみなはしゃぎぶりによって、本当に弟のことを心配してるのかと読者にかすかな不安を与えつつ、緊張感を3割ほど欠きながら、謎解きはそれなりに進む。そういうのが好きなら楽しめる。イラっと来る人は楽しめない。
個人的には,主人公と読みは違うが同じ名前の同僚がいるので、最初50ページほどイメージの混乱に悩まされた。
東野圭吾『危険なビーナス』講談社,2016年。
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