2019年2月1日金曜日

菅野よう子先輩のこと (2012/11/25)

 小学校、中学校、高校とは狭い世界である。極論すると、独自の雰囲気を持った閉鎖空間と言ってもいい。その中は楽しく、居心地がいい時もあれば、恐ろしいときもある(いじめられている場合など)。
 私は大学に行き、授業やサークルや社会活動を通じて、世界は自分が創造していたよりもはるかに広いのだということを、ようやく肌で感じ取ることができた。もっとも、その時の感触よりもさらに広大な世界に日々直面し続けて、いまも戸惑い続けているのであるが。
 小学校、中学校、高校の、繰り返しのような毎日の中で、ほんのわずかな時間だけ、周囲の空間ががらりとかわり、校舎や体育館の壁が消えて、数十倍、数百倍に広がりながら輝く瞬間があった。それは、ある女子の先輩がピアノを弾く瞬間であった。音楽関係の行事はこの先輩なくしては成り立たなかった。
 世界は広い。言葉では言い尽くせない。あの先輩のピアノはそれを教えてくれた。
 1990年代のある日。ある新興国を扱うNHKスペシャルのオープニングテーマで、私の心を揺さぶるメロディが流れた。これはもしや……と思ったところ、案の定、あの先輩の曲であった。
 私は、時々、ファーストガンダムをリアルタイムで見たことを学生に自慢することがある。それよりも自慢できるのは、あの先輩のピアノを小学生のときから聞いたことである

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