2018年10月31日水曜日

「のぞみ」台車亀裂の品質管理のどこが問題か (2018/3/1)

 「のぞみ」台車亀裂事件。川崎重工のずさんな品質管理が問題であることは言うまでもない。これは,よく言われるところの「日本のものづくりが揺らいでいる」類の問題であることも,残念ながらまず間違いない。

 しかし,嘆いているだけでは始まらない。いつから問題が起きていたのか,それはなぜだったのかが大切だ。

 まず,問題が工程の何か所にあるのかが気になる。一つは溶接工程で作業基準の順守を徹底できなかったことだ。これは明らかだ。

 次に気になるのは,「当社の品質管理が不十分であったため、外注品である側バリ部材(板厚 8mm の鋼材)の曲げ加工精度にバラつきがあり」のところだ。溶接の際に作業基準を守らなかったことに加えて,部材の品質管理も甘かったというところに問題があることになる。これで2か所だ。

 さらに,バラつきのある加工は誰がやっていたのかが,この文章だと判然としない。鋼材を買ってきて川重で曲げ加工していたのか,それとも曲げ加工まで外注していたのか。それにより,物理的にはどこで問題が生じたのかが異なる。どちらかわからないが,これでトータル3か所だ。

 問題発生ポイントは3つと見てよいのかが知りたい。そして,その上で,それぞれについて,作業基準の不徹底,品質管理の甘さ,加工の問題が,長期にわたって続いていてたまたま今回表面化したことなのか,それともある時点から生じた問題なのかが問われると思う。

 つまり,いつから,なぜ,ものづくりが揺らいでいるのかを明らかにする必要があると思うのだ。

「N700 系新幹線車両台車枠について」2018年2月28日,川崎寿工業株式会社。
https://www.khi.co.jp/news/C3180228-1.pdf

「のぞみ亀裂 川崎重工、台車146台交換へ JR西・東海」『毎日新聞』2018年2月28日。
https://mainichi.jp/articles/20180301/k00/00m/040/115000c

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