2018年10月27日土曜日

フォルモサ・ハティン・スチール(FHS)の高炉が稼働する見通しとの報道について (2017/05/16)

 ベトナム中部に建設されたフォルモサ・ハティン・スチール(FHS)の高炉がようやく稼働する模様。昨年6月稼働予定であったが,魚が大量死した海洋汚染の責任を問われ,延期されていた。
 FHSは台湾プラスチックが親会社で,中国鋼鉄(注:台湾企業),JFEスチールがマイナー出資している。一柳氏らが解説するように,外資100%,高い保護なしで新鋭大型一貫製鉄所を稼働する,従来にないケースだ。グローバリゼーション下の鉄鋼業開発の1つのあり方として注目される。それだけに,専門知識・ノウハウのない政府のモニタリングが弱いというリスクはあり,既に海洋汚染となって現実化した。フォルモサの名前はベトナムで悪名高く定着してしまい,評判は散々だ。
 FHSがこの失敗を乗り越えて,生産を軌道に乗せられるかどうか,現地冷延リローラーへの供給で中国からの輸入材と競争できるか,新日鉄住金・中国鋼鉄合弁のCSVCに高級母材を提供できるか,JFE系の冷延企業に母材を供給できるかどうか。これから注視していきたい。

「台プラ・CSC・JFE合弁のベトナム高炉、今月末にも火入れ」『日刊鉄鋼新聞』2017年5月16日。
http://www.japanmetaldaily.com/metal/2017/steel_news_20170516_1.html

2017/5/16 Facebook
2017/6/21 Google+

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