ベトナムの地場鉄鋼企業ホア・ファット・グループ（HPG）がクアンガイ省ズン・クァット経済区での大型製鉄所建設を正式に申請（2016/10/15)

　ベトナムの条鋼部門トップ企業ホア・ファット・グループ（HPG）が，クアンガイ省のズン・クァット経済区管理委員会（DEZA）に対して，正式に製鉄所建設の申請をした模様。
　投資額は30億ドル，製鉄所の生産能力は400万トン。建設計画は2期に分かれており，それぞれ200万トンの能力を構築する。70年間の操業認可を申請している。
DEZAはこの提案に対するコメントを求めるために，ドキュメントを関連する省と機関に送った。
　DEZAによれば期待される収入は年間20億ドル，税収は年間4兆ドン（1億7830万ドル）。送出される雇用は8000人分。
　投資者が受け取るインセンティブは，土地貸与用の18年間の免除，次の30年間には10パーセントへの減額。
　しかしHPGは，もともと実施されていて9月にライセンスが取り消されたグアン・リャン・スチールについて省政府が融通した土地収用の費用2035億ドン（907万ドル）を支払わねばならない。
　昨年秋の段階では，HPGの他にホア・セン・グループ（HSG）もグアン・リャンの跡地を狙っていると報道されていたが，HSGは公式にプロジェクトを提案していない。

　以上はVNN記事の要約だ。私の見るところでは，HSGはニントゥアン省カナ工業団地での製鉄所建設を発表したので，ズン・クァットからは撤退するのではないかと思う。
　HPGの20億ドルかけて400万トンというのは妥当な金額だが，HPGの資本金は昨年のデータで2億2074万ドルであり，かなりの負担だ。HSGのカナプロジェクトと同様，資金と技術をどう確保するのか，海洋汚染問題を引き起こしたフォルモサ・ハティン・スチールの轍を踏まないことをどう市民に説明するのかが問われる。

Hoa Phat may take over dying steel project in Quang Ngai, VietnamNetBridge, October 12, 2016.
http://english.vietnamnet.vn/fms/business/165101/hoa-phat-may-take-over-dying-steel-project-in-quang-ngai.html

DungQuat Economic Zone Authority（本件の記事まだなし）
http://dungquat.com.vn/english/

Quang Ngai Portal　（本件の記事まだなし）
http://www.quangngai.gov.vn/eng/Pages/qnp-home.html

昨年11月段階での記事
Two local firms keen on Guang Lian steel project site，Tha Saigon Times, November 12, 2015.
http://english.thesaigontimes.vn/44050/Two-local-firms-keen-on-Guang-Lian-steel-project-site.html

昨年10月のHPGによるクアン・ガイ省政府への申し入れ
http://www.quangngai.gov.vn/eng/pages/qnp-hoaphatgrouptoinvest--qnpnd-10855-qnpnc-0-qnpsite-1.html