昨年『アジア経済』に掲載された川端望・趙洋「中国鉄鋼業における省エネルギーとCO2排出削減対策」がオープンアクセスになりました。
この論文は,中国の鉄鋼業に対して多くの人が抱くであろうイメージに反する結論を出しています。中国鉄鋼業が,地球温暖化対策上,見過ごせないほどの多くのエネルギーを消費し,CO2を排出していることは事実です。しかし,その理由は,各製鉄所のエネルギー効率が悪いからではありません。以前はかなりそうだったと思われますが,最近は効率面では改善しています。
それでは何が問題かというと,一つは高炉を用いた銑鋼一貫技術を広範に採用し,スクラップを電気炉で精錬する技術をほとんど採用していないからです。もう一つは,ただ単に生産規模がむちゃくちゃにデカいからです。
イメージとして,汚い製鉄所が煙をもくもく吐いている光景を思い浮かべるよりは,わりと普通の高炉を持った製鉄所がものすごくたくさんある光景を思い浮かべる方が当たっています。
一時は,いくら人に言っても信じてもらえませんでした。おそらく,この投稿をご覧になっても信じられない,もしくは半信半疑の方もいらっしゃると思います。そういう方にぜひ読んでいただければと思います。
http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Periodicals/Ajia/201403.html
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